●アーゼラ点滴静注液100mg等
【この薬は?】
販売名
アーゼラ点滴静注液100mg
Arzerra for I.V. infusion
アーゼラ点滴静注液1000mg
Arzerra for I.V. infusion
一般名
オファツムマブ(遺伝子組換え)
Ofatumumab (Genetical Recombination)
含有量
(1バイアル中)
100mg
1000mg
【この薬の効果は?】
・この薬は、抗悪性腫瘍剤の抗CD20モノクローナル抗体と呼ばれるグループに属する薬です。
・この薬は、細胞表面に存在する特異的な抗原(細胞表面マーカー:CD20)に結合し、がん細胞の増殖を抑えます。
・次の病気と診断された人に、医療機関において処方されます。
再発又は難治性のCD20陽性の慢性リンパ性白血病
【この薬を使う前に、確認すべきことは?】
○患者や家族の方は、この治療の必要性や注意すべき点などについて十分理解できるまで説明を受けてください。説明に同意した場合に使用が開始されます。
○この薬の使用中や使用後に、アナフィラキシー様症状(からだがだるい、ふらつき、意識の低下など)、発熱、さむけ、痛み、息苦しさや、インフュージョン リアクション※(発熱、悪寒、息切れ、動悸(どうき)、脈が速くなる、頭痛、吐き気、めまいなど)があらわれることがあります。インフュージョン リアクションであれば、使用開始後3時間以内に起こる可能性が高いです。これらの症状があらわれたら、ただちに医師に伝えてください。
※インフュージョン リアクション:
この薬を含むモノクローナル抗体製剤と呼ばれる薬を点滴した時におこることがある体の反応で、過敏症やアレルギーのような症状があらわれます。
○この薬は、CD20抗原が陽性であることが確認された場合に使用が開始されます。
○B型肝炎ウイルスに感染している人や過去に感染したことがある人は、この薬の使用前に肝炎ウイルス感染の検査が行われます。
○次の人は、この薬を使用することはできません。
・過去にアーゼラ点滴静注液に含まれる成分で過敏な反応を経験したことがあ る人
○次の人は、慎重に使う必要があります。使い始める前に医師または薬剤師に告げてください。
・肺に障害がある人、過去に肺に障害があった人
・肝炎ウイルスに感染している人、過去に肝炎ウイルスに感染したことがある人
・心臓に障害がある人、過去に心臓に障害があった人
・感染症(敗血症、肺炎、ウイルス感染など)にかかっている人
・重篤な骨髄機能低下がある人
・降圧剤を使用している人
・高齢の人
○この薬には併用を注意すべき薬やワクチンがあります。他の薬を使用している場合や、新たに使用する場合は、必ず医師または薬剤師に相談してください。
【この薬の使い方は?】
この薬は注射薬です。
オファツムマブ(遺伝子組換え)として、初回は300mg、2回目以降は2000mgを点滴静注し、8回目まで投与を繰り返します。
8回目の投与4〜5週後から、4週間に1回2000mgを点滴静注し、12回目まで投与を繰り返します。
【この薬の使用中に気をつけなければならないことは?】
・この薬の使用中や使用後に、インフュージョン リアクション(発熱、悪寒、息切れ、動悸、脈が速くなる、頭痛、吐き気、めまいなど)があらわれることがあります。
これらの症状があらわれた場合には、ただちに医師に連絡してください。
予防として、この薬の使用の30分から2時間前に抗ヒスタミン剤、解熱鎮痛剤及び副腎皮質ホルモンが使用されることがありますが、これらを使用してもインフュージョン リアクションがあらわれることがあります。
・B型肝炎ウイルスに感染している人や過去に感染したことがある人がこの薬を使用した場合にB型肝炎ウイルスの再活性化により肝不全を発現し、中には死亡に至る例も報告されていますので、この薬を使用している間や使用後は継続的に肝機能検査やB型肝炎ウイルスマーカーの検査が行われます。
・不整脈や狭心症などの心臓に障害がある人や過去に心臓に障害があった人では、この薬を使用している間や使用後に心電図や心エコーなどの検査が行われることがあります。
・咽頭扁桃、口外扁桃前部に病巣のある人では、この薬の投与により、病巣が一時的に腫れることで呼吸困難があらわれることがあります。このような症状があらわれた場合には、ただちに医師に連絡してください。
・免疫抑制作用で、感染症になりやすくなったり感染症が悪化したりすることがあります。発熱、倦怠感(けんたいかん)があらわれた場合には、ただちに医師に連絡してください。
・妊婦または妊娠している可能性がある人は医師に相談してください。
・授乳中の人は授乳を中止してください。
・他の医師を受診する場合や、薬局などで他の薬を購入する場合は、必ずこの薬を使用していることを医師または薬剤師に伝えてください。
【副作用は?】
重大な副作用 主な自覚症状
●Infusion reaction
インフュージョンリアクション
呼吸困難、意識障害、まぶた・唇・舌のはれ、発熱、さむけ、嘔吐(おうと)、咳、めまい、動悸
●腫瘍崩壊症候群
しゅようほうかいしょうこうぐん
脇腹の痛み、血尿
進行性多巣性白質脳症(PML)
しんこうせいたそうせいはくしつのうしょう(ピーエムエル)
けいれん、ぼんやりする、意識がなくなる、しゃべりにくい、物忘れ、考えがまとまらない、手足のまひ
以上