2014年06月15日

「アイソボリン点滴静注用25mg」は何の薬?

●アイソボリン点滴静注用25mg

●一般名:レボホリナートカルシウム

●【この薬の効果は?】

・この薬は、活性型葉酸製剤と呼ばれるグループに属する薬です。

・この薬は、フルオロウラシル(抗がん剤)の効果を高めるために使用されます。この薬自体には抗がん効果はありません。

・次の目的で処方されます。

・レボホリナート・フルオロウラシル療法

胃癌(手術不能又は再発)及び結腸・直腸癌に対するフルオロウラシルの抗腫瘍効果の増強

・レボホリナート・フルオロウラシル持続静注併用療法

結腸・直腸癌及び治癒切除不能な膵癌に対するフルオロウラシルの抗腫瘍効果の増強


○次の人は、この薬を使用することはできません。

・重篤な骨髄抑制(貧血、白血球減少、血小板減少)がある人

・下痢がある人

・重篤な感染症にかかっている人

・多量の腹水、胸水がある人

・心臓に重篤な障害がある人、または過去に心臓に重篤な障害があった人

・全身状態がわるい人

・過去にアイソボリンやフルオロウラシルに含まれる成分で重篤で過敏な反応を経験したことがある人

・テガフール・ギメラシル・オテラシルカリウム配合剤を使用している人および使用を中止して7日以内の人


●【この薬の使い方は?】

この薬は注射薬です。

●使用量および回数

通常、成人の使用する量と使用方法は、あなたの体表面積(単位:m2身長と体重から計算)や症状にあわせて、医師が決めます。

この薬はフルオロウラシルと必ず併用されます。症状によって休薬の期間が延びたり、使用量が変更されたりすることがあります。


●【この薬の使用中に気をつけなければならないことは?】

・この療法では、重篤な骨髄抑制(からだがだるい、発熱、めまい、出血が止まりにくい)などの副作用がおこり致命的な経過をたどることがあります。

このような症状があらわれた場合にはただちに医師に相談してください。

このため、使用中は定期的(特に使用開始初期は頻回)に臨床検査(血液検査など)が行われます。

・この療法では、重篤な腸炎により脱水症状があらわれ、致命的な経過をたどることがあります。

激しい腹痛、下痢などの症状があらわれた場合には、ただちに医師に連絡してください。



●副作用は?

激しい下痢:汗をかく、吐き気、激しい腹痛、水のような便、泥状の便

重篤な腸炎:発熱、吐き気、嘔吐(おうと)、激しい腹痛、下痢

骨髄抑制:からだがだるい、発熱、鼻血、歯ぐきの出血、息切れ、あおあざができる、出血が止まりにくい、出血しやすい


以上
posted by ホーライ at 00:48| Comment(0) | TrackBack(0) | 抗悪性腫瘍剤 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年06月04日

アーゼラ点滴静注液100mg等

●アーゼラ点滴静注液100mg等

【この薬は?】

販売名
アーゼラ点滴静注液100mg
Arzerra for I.V. infusion

アーゼラ点滴静注液1000mg
Arzerra for I.V. infusion

一般名
オファツムマブ(遺伝子組換え)
Ofatumumab (Genetical Recombination)

含有量
(1バイアル中)
100mg
1000mg




【この薬の効果は?】

・この薬は、抗悪性腫瘍剤の抗CD20モノクローナル抗体と呼ばれるグループに属する薬です。

・この薬は、細胞表面に存在する特異的な抗原(細胞表面マーカー:CD20)に結合し、がん細胞の増殖を抑えます。

・次の病気と診断された人に、医療機関において処方されます。

再発又は難治性のCD20陽性の慢性リンパ性白血病





【この薬を使う前に、確認すべきことは?】

○患者や家族の方は、この治療の必要性や注意すべき点などについて十分理解できるまで説明を受けてください。説明に同意した場合に使用が開始されます。

○この薬の使用中や使用後に、アナフィラキシー様症状(からだがだるい、ふらつき、意識の低下など)、発熱、さむけ、痛み、息苦しさや、インフュージョン リアクション※(発熱、悪寒、息切れ、動悸(どうき)、脈が速くなる、頭痛、吐き気、めまいなど)があらわれることがあります。インフュージョン リアクションであれば、使用開始後3時間以内に起こる可能性が高いです。これらの症状があらわれたら、ただちに医師に伝えてください。

※インフュージョン リアクション:

この薬を含むモノクローナル抗体製剤と呼ばれる薬を点滴した時におこることがある体の反応で、過敏症やアレルギーのような症状があらわれます。

○この薬は、CD20抗原が陽性であることが確認された場合に使用が開始されます。

○B型肝炎ウイルスに感染している人や過去に感染したことがある人は、この薬の使用前に肝炎ウイルス感染の検査が行われます。

○次の人は、この薬を使用することはできません。

・過去にアーゼラ点滴静注液に含まれる成分で過敏な反応を経験したことがあ る人

○次の人は、慎重に使う必要があります。使い始める前に医師または薬剤師に告げてください。

・肺に障害がある人、過去に肺に障害があった人

・肝炎ウイルスに感染している人、過去に肝炎ウイルスに感染したことがある人

・心臓に障害がある人、過去に心臓に障害があった人

・感染症(敗血症、肺炎、ウイルス感染など)にかかっている人

・重篤な骨髄機能低下がある人

・降圧剤を使用している人

・高齢の人

○この薬には併用を注意すべき薬やワクチンがあります。他の薬を使用している場合や、新たに使用する場合は、必ず医師または薬剤師に相談してください。




【この薬の使い方は?】

この薬は注射薬です。

オファツムマブ(遺伝子組換え)として、初回は300mg、2回目以降は2000mgを点滴静注し、8回目まで投与を繰り返します。

8回目の投与4〜5週後から、4週間に1回2000mgを点滴静注し、12回目まで投与を繰り返します。




【この薬の使用中に気をつけなければならないことは?】

・この薬の使用中や使用後に、インフュージョン リアクション(発熱、悪寒、息切れ、動悸、脈が速くなる、頭痛、吐き気、めまいなど)があらわれることがあります。

これらの症状があらわれた場合には、ただちに医師に連絡してください。

予防として、この薬の使用の30分から2時間前に抗ヒスタミン剤、解熱鎮痛剤及び副腎皮質ホルモンが使用されることがありますが、これらを使用してもインフュージョン リアクションがあらわれることがあります。

・B型肝炎ウイルスに感染している人や過去に感染したことがある人がこの薬を使用した場合にB型肝炎ウイルスの再活性化により肝不全を発現し、中には死亡に至る例も報告されていますので、この薬を使用している間や使用後は継続的に肝機能検査やB型肝炎ウイルスマーカーの検査が行われます。

・不整脈や狭心症などの心臓に障害がある人や過去に心臓に障害があった人では、この薬を使用している間や使用後に心電図や心エコーなどの検査が行われることがあります。

・咽頭扁桃、口外扁桃前部に病巣のある人では、この薬の投与により、病巣が一時的に腫れることで呼吸困難があらわれることがあります。このような症状があらわれた場合には、ただちに医師に連絡してください。

・免疫抑制作用で、感染症になりやすくなったり感染症が悪化したりすることがあります。発熱、倦怠感(けんたいかん)があらわれた場合には、ただちに医師に連絡してください。

・妊婦または妊娠している可能性がある人は医師に相談してください。

・授乳中の人は授乳を中止してください。

・他の医師を受診する場合や、薬局などで他の薬を購入する場合は、必ずこの薬を使用していることを医師または薬剤師に伝えてください。




【副作用は?】


重大な副作用  主な自覚症状

●Infusion reaction
インフュージョンリアクション

呼吸困難、意識障害、まぶた・唇・舌のはれ、発熱、さむけ、嘔吐(おうと)、咳、めまい、動悸



●腫瘍崩壊症候群
しゅようほうかいしょうこうぐん

脇腹の痛み、血尿

進行性多巣性白質脳症(PML)

しんこうせいたそうせいはくしつのうしょう(ピーエムエル)

けいれん、ぼんやりする、意識がなくなる、しゃべりにくい、物忘れ、考えがまとまらない、手足のまひ


以上
posted by ホーライ at 00:02| Comment(0) | TrackBack(0) | 抗悪性腫瘍剤 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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